クッキングシートが手元にない時、料理によってはラップをうまく活用できます。
わざわざクッキングシートを買いに行くよりも、手軽にラップで解決したいものです。特に、冷まして固める調理や蒸し調理にはラップが最適です。ただし、ラップをクッキングシートの代わりに使う際は、適した料理と注意すべきポイントを理解することが重要です。
ラップをクッキングシートの代わりに使うのに適した料理とは?
ラップには次のような特徴があります
⚫︎水に強い
⚫︎保湿効果がある
⚫︎冷凍から電子レンジまで、幅広い耐熱温度に対応
⚫︎密着性が高い
⚫︎丈夫でしなやかさがある
特性を活かして、クッキングシートの代わりとしてラップが活躍する料理には、以下のようなものがあります
⚫︎冷やして固める料理
⚫︎蒸し料理
⚫︎巻き料理
例えば、レアチーズケーキやゼリーを作る際、型から取り出しやすくするためにクッキングシートを敷きますが、ラップでも同様の効果が得られます。ラップは冷蔵庫内での乾燥を防ぐカバーとしても機能し、きれいな仕上がりを実現します。
また、トリュフや生チョコを作る時、バットにクッキングシート代わりにラップを敷くと、清潔で後片付けも簡単です。
蒸し料理では、クッキングシートを蒸し器に敷く代わりにラップを使用し、電子レンジで簡単に蒸し野菜を作ることができます。ジャガイモのような野菜を蒸す時もラップで包んでレンジで加熱するだけでOKです。
茶碗蒸しも、ラップを使って簡単にレンジ調理が可能です。耐熱容器に材料を入れ、水を加えた別の容器にセットし、ラップをかけてレンジで加熱します。
巻き料理においても、手巻き寿司やロールケーキなどを作る際、ラップはクッキングシートの代用品として活躍します。ラップを使えば、出来上がった料理を冷蔵庫で形を整えながら保存し、切り分ける際もラップを使って清潔に行うことができます。
ラップをクッキングシートの代わりに使用する際の留意点
クッキングシートの代わりとしてラップを使用する様々な方法を紹介しましたが、注意すべき点があります。特に重要なのは、耐熱温度の違いです。
一般的なクッキングシートは耐熱温度が約250℃ですが、ラップは通常110~140℃の耐熱温度です。これは、ラップが高温に弱く、電子レンジでは問題なく使用できても、オーブンやトースターでは使えないことを意味します。同様に、煮物の落し蓋やフライパンでの使用も避けるべきです。ラップが高温で溶ける可能性があり、安全な使用には注意が必要です。
また、ご家庭で使用されるラップは種類や素材によって耐熱温度や性質が異なります。耐熱温度を超えると溶ける可能性があるので、使用前には必ず確認しましょう。
ラップの素材には主に3種類あります
1. ポリ塩化ビニリデン
この素材はにおいや酸素を通しにくく、食品の酸化を防ぎます。水蒸気も通しにくいので乾燥を防ぎ、湿気も防ぎます。耐冷温度は-60℃、耐熱温度は140℃です。
2. ポリエチレン
無添加で環境に優しい素材で、比較的安価です。密着性は他の素材に劣り、におい移りを防ぐ効果も弱いですが、酸素を通しやすいので生鮮食品よりは野菜や果物の保存に適しています。耐冷温度は-70℃、耐熱温度は110℃です。
3. 塩化ビニル樹脂
密着性、伸縮性、耐久性に優れていますが、水分や酸素を通しやすいので、長期保存には適していません。耐冷温度は-60℃、耐熱温度は130℃です。
ラップのこれらの特徴を知ることで、使い方の幅が広がります。
高温調理におけるラップの使用制限と安全な代替方法
ラップは便利なキッチン用品ですが、耐熱温度を超える高温で使用すると溶けるリスクがあります。電子レンジでの使用は安全ですが、オーブンやトースター、フライパンでの高温調理、煮物の落し蓋などにラップを使うことは避けるべきです。間違った使い方をしないように注意しましょう。ここでは、高温調理に適した安全な代替品を紹介します。
1. アルミホイル
アルミホイルは耐熱性に優れ、クッキングシートよりも高温に耐えることができます。オーブンやトースター、フライパンでの調理、落し蓋としても使用できます。しかし、電子レンジでは使えませんし、直火や熱電線に直接触れると溶ける可能性があるので、その点には注意が必要です。
2. キッチンペーパー
吸水性の高いキッチンペーパーは、蒸し料理や落し蓋として便利です。料理中に発生するアクも取り除けるため、効率的です。ただし、キッチンペーパーは紙製品なので、高温での発火リスクがあり、オーブンやトースターでは使用できません。
3. コピー用紙や半紙
コピー用紙や半紙は、オーブンでのケーキやクッキー調理に適しています。焼き型の底に敷いたり、クッキーを焼くためのオーブンの鉄板に敷くことができます。ただし、紙が焦げないように気を付ける必要があります。
クッキングシートの代用品としてラップは使えるの?まとめ
ラップはクッキングシートのように滑らかで食材がくっつきにくく、食品を酸化や乾燥から保護する利点がありますが、耐熱温度が低いため高温調理には向きません。代替品を使用する際は、この点を考慮してください。